外野手守備評価
 外野手の守備を「平均的な守備者が守る場合に比べて失点を何点減らしたか」という評価で数値化しました。
 算出法はレンジファクターの応用です。詳しくはページ下部で。

 項目の説明
 イニング……対象となる守備位置での出場イニング数(※非公式データ)
 刺殺・補殺……該当守備位置に分配された刺殺と補殺
 NRF……リーグの平均的な投手陣の後ろを守った場合に期待される9イニングあたりの刺殺数
 刺殺得点……フライの捕球によりもたらした得点
 補殺得点……送球で走者をアウトにすることによりもたらした得点
 守備得点……刺殺得点と補殺得点を合わせた最終評価

 対象は300イニング以上の選手。


●2010年度●

2010年度セ・リーグ
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 DLF和田 一浩138 228 15
2010 CLF嶋 重宣76 132 15
2010 SLF福地 寿樹90 99 10
2010 SLF飯原 誉士49 75 6
2010 TLFマートン63 69 6
2010 SLF畠山 和洋48 51 -6
2010 TLF金本 知憲73 90 -11
2010 BLFスレッジ119 161 -21
2010 GLFラミレス132 150 -29
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 CCF赤松 真人80 143 12
2010 GCF長野 久義56 97 6
2010 TCF浅井 良67 98 5
2010 CCF天谷 宗一郎80 163 0
2010 DCF大島 洋平94 171 0
2010 SCF青木 宣親144 300 -2
2010 GCF松本 哲也91 149 -3
2010 TCFマートン74 127 -11
2010 BCF下園 辰哉63 105 -11
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 CRF廣瀬 純127 265 23
2010 TRF桜井 広大72 141 22
2010 DRF野本 圭70 98 7
2010 GRF長野 久義80 100 1
2010 SRF飯原 誉士85 119 -5
2010 BRF内川 聖一72 127 -6
2010 TRFマートン55 66 -11
2010 SRFガイエル65 80 -26


2010年度パ・リーグ
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 BsLFT−岡田96 168 20
2010 ELFリンデン49 77 6
2010 LLFG.G.佐藤43 67 0
2010 MLF大松 尚逸140 246 0
2010 FLF森本 稀哲109 169 0
2010 ELF草野 大輔44 48 -8
2010 HLFオーティズ76 84 -13
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 FCF糸井 嘉男138 302 20
2010 ECF聖澤 諒132 280 11
2010 HCF長谷川 勇也131 236 9
2010 MCF岡田 幸文68 107 2
2010 MCF荻野 貴司46 97 -7
2010 MCF清田 育宏50 76 -8
2010 BsCF坂口 智隆136 266 -9
2010 LCF栗山 巧144 316 -9
年度球団守備位置選手 試合刺殺守備得点
2010 FRF陽 岱鋼81 101 -2
2010 BsRF赤田 将吾69 112 -2
2010 LRF高山 久111 203 -3
2010 HRF多村 仁志136 226 -3
2010 ERF鉄平116 198 -6
2010 MRFサブロー111 209 -9
2010 FRF稲葉 篤紀83 128 -12


 評価方法及び数字はSMR Baseball Labにアップされた記事と同じ。今回は個別の守備イニング、被ゴロ・フライデータが得られたことも評価にとって大きな前進ですが、外野手に関しては何よりこれまで区別不能であった左翼・中堅・右翼の出場ごとの刺殺のデータが得られたのが非常に大きな改善点となっています。
 今回は補殺による肩の評価は行っておりません。岡田氏による、外野手の進塁阻止分析「外野手の肩〜Part1」「外野手の肩〜Part2」を合わせてみることによってより総体としての守備力に迫ることができるのではないかと思われます。








●2009年度●

2009年度パ・リーグ
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 左翼F森本 稀哲527 123 4 .95316.6 0.7 17.3
2009 左翼L栗山 巧561 129 4 .8789.6 0.0 9.6
2009 左翼Eリンデン537 111 3 .790-1.2 -0.6 -1.8
2009 左翼Bs大村 直之566 100 5 .757-4.8 1.8 -3.0
2009 左翼Hオーティズ517 93 4 .755-4.7 0.8 -3.9
2009 左翼M大松 尚逸365 73 3 .735-5.5 0.7 -4.7
2009 左翼Fスレッジ429 77 4 .731-6.1 1.2 -4.9
2009 左翼M竹原 直隆476 94 2 .722-8.6 -1.0 -9.6
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 中堅Bs坂口 智隆1170 247 14 .8112.7 6.0 8.8
2009 中堅F糸井 嘉男1021 232 7 .8337.7 0.5 8.2
2009 中堅H長谷川 勇也1094 237 3 .8174.2 -2.7 1.5
2009 中堅L栗山 巧705 162 4 .790-1.6 -0.2 -1.8
2009 中堅E鉄平1142 261 8 .787-3.5 0.4 -3.1
2009 中堅M早川 大輔389 89 2 .753-4.7 -0.6 -5.3
2009 中堅Mサブロー643 144 3 .737-10.4 -0.9 -11.3
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 右翼F稲葉 篤紀1018 217 5 .87215.0 0.0 15.0
2009 右翼Bs下山 真二527 106 2 .8606.2 -0.8 5.4
2009 右翼Bs小瀬 浩之340 70 1 .8775.1 -0.8 4.4
2009 右翼Mサブロー304 68 2 .8221.5 -0.1 1.4
2009 右翼H多村 仁志547 106 3 .8111.2 0.0 1.2
2009 右翼E中村 真人400 82 1 .792-0.7 -0.8 -1.5
2009 右翼M大松 尚逸744 150 7 .738-10.6 2.2 -8.3
2009 右翼LG.G.佐藤1000 185 4 .709-19.9 -1.1 -21.0


2009年度セ・リーグ
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 左翼S福地 寿樹961 203 5 .95026.8 0.6 27.4
2009 左翼D和田 一浩1224 216 12 .8306.5 6.1 12.7
2009 左翼B内川 聖一1137 216 1 .86112.9 -3.1 9.8
2009 左翼T金本 知憲1280 184 2 .740-12.5 -2.2 -14.6
2009 左翼Cフィリップス539 77 2 .632-17.2 -0.2 -17.4
2009 左翼Gラミレス1043 147 2 .655-27.4 -1.8 -29.2
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 中堅C赤松 真人1025 299 6 .97444.9 0.5 45.5
2009 中堅S青木 宣親1196 288 9 .8205.8 2.1 8.0
2009 中堅T平野 恵一336 73 3 .8402.9 1.4 4.3
2009 中堅G鈴木 尚広458 107 3 .8171.8 0.5 2.3
2009 中堅D藤井 淳志950 214 3 .8010.3 -1.5 -1.2
2009 中堅B金城 龍彦644 146 3 .776-3.8 -0.2 -4.0
2009 中堅G松本 哲也707 154 5 .764-6.1 1.3 -4.8
2009 中堅T赤星 憲広728 143 1 .763-5.8 -1.9 -7.7
2009 中堅B下園 辰哉355 66 2 .635-14.4 0.1 -14.3
年度守備位置球団選手 イニング刺殺補殺刺殺率 刺殺得点補殺得点守備得点
2009 右翼G亀井 義行705 169 4 .94722.0 0.0 22.0
2009 右翼D野本 圭379 78 1 .8241.9 -1.2 0.8
2009 右翼D小池 正晃380 75 3 .794-0.5 0.4 -0.1
2009 右翼C廣瀬 純327 67 3 .775-1.8 0.6 -1.1
2009 右翼T桜井 広大575 105 2 .798-0.2 -1.2 -1.4
2009 右翼B吉村 裕基1261 260 6 .796-1.1 -1.6 -2.7
2009 右翼C天谷 宗一郎628 130 3 .779-2.9 -0.6 -3.5
2009 右翼Sガイエル990 193 12 .748-11.3 4.9 -6.4
2009 右翼G谷 佳知515 83 4 .641-17.4 0.9 -16.5


 2009年の数字から、試験的に今まで平均刺殺数(NRF)で表していた守備範囲をゾーンレイティング風の数字(刺殺率)に変更してみました。
 これは平均的な守備者がそこに飛んできた打球を8割アウトにするような範囲を「ゾーン」に指定したとき、ゾーンの打球の何割をアウトにできるかという評価です。各リーグ・各守備位置の平均は正確に.800であり、刺殺率が.800より高ければ守備範囲が平均より広いことになります。評価の本質はNRFと何ら変わっておらず表し方としてどちらがわかりやすいかの問題で、今年については平均との対比がしやすいこちらにしてみました。
 パの守備得点を見ると森本(17.3)、糸井(8.2)、稲葉(15.0)と日ハム勢が極めて優秀。セは福地(27.4)、赤松(45.5)、亀井(22.0)と各守備位置にそれぞれ飛びぬけた選手がいて、特に赤松の傑出は特筆モノ。外野手の経験がほとんどなく素人並みの粗悪な守備を見せてしまった左翼のフィリップスをフォローした経緯があるにしても素晴らしい数字で、前年の数字も考えると赤松は歴史的に優れた中堅手である可能性があります。45.5なんてもちろん2005年以降の分算出しているこの指標の中でトップ。
 一方あまり芳しくないほうとしては、巨人のラミレス。直近4年間は-11.9、-15.7、-13.5、-19.8、となんとか10点そこそこの損失に抑えてきていたわけですが、指標の揺らぎに過ぎないかもしれないもののここにきて数字が-29.2と大きく落ち込んでいます。当人の打撃指標(BR:30)を考慮すると選手としてのバリューを保てるギリギリのラインで、一塁コンバート話が出るのは極めて自然。







●2008年度●

2008年度パ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 F工藤 隆人443.3 110 3 2.24 14.2 1.2 15.4
2008 Bs村松 有人352.0 87 1 2.20 10.1 -0.2 9.9
2008 L栗山 巧816.3 179 4 1.96 5.0 0.4 5.4
2008 Bs小瀬 浩之358.3 78 0 1.94 1.5 -1.5 0.1
2008 Eリック938.3 176 3 1.79 -8.3 -1.0 -9.3
2008 M大松 尚逸513.0 104 3 1.70 -10.3 0.1 -10.2
2008 H松中 信彦463.0 78 6 1.57 -13.6 3.3 -10.3
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 M早川 大輔858.0 237 3 2.31 8.9 -1.4 7.5
2008 H長谷川 勇也403.7 103 0 2.38 6.3 -1.7 4.6
2008 E鉄平794.0 186 6 2.24 2.1 2.0 4.1
2008 Bs坂口 智隆1153.7 283 7 2.19 -2.1 0.9 -1.1
2008 H辻 武史327.7 75 3 2.12 -2.6 1.0 -1.6
2008 L赤田 将吾385.7 92 3 2.14 -2.6 0.8 -1.8
2008 F森本 稀哲1066.3 258 4 2.17 -3.6 -1.2 -4.8
2008 L栗山 巧302.3 66 2 1.96 -7.1 0.1 -7.0
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 F稲葉 篤紀822.0 194 5 2.12 10.6 0.1 10.8
2008 Mサブロー592.0 151 4 2.14 9.5 0.6 10.1
2008 H柴原 洋665.7 143 3 2.00 1.3 -0.3 1.0
2008 Bs濱中 治325.0 72 1 1.98 -0.1 -1.1 -1.1
2008 E中島 俊哉391.7 79 1 1.92 -2.0 -1.1 -3.1
2008 Bs下山 真二669.7 142 5 1.89 -5.9 0.7 -5.2
2008 M大松 尚逸425.0 86 2 1.70 -12.2 -0.4 -12.5
2008 LG.G.佐藤857.3 167 9 1.74 -19.2 3.3 -15.8


2008年度セ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 D和田 一浩1174.3 228 11 1.73 12.0 4.3 16.3
2008 S飯原 誉士895.7 181 6 1.75 11.4 1.1 12.4
2008 C天谷 宗一郎412.3 85 2 1.87 9.3 0.2 9.5
2008 B大西 宏明456.3 89 4 1.65 1.3 1.0 2.3
2008 C嶋 重宣556.3 103 1 1.67 2.5 -1.6 0.9
2008 Bビグビー342.3 51 1 1.26 -12.5 -0.7 -13.2
2008 T金本 知憲1283.3 193 4 1.46 -18.1 -1.7 -19.8
2008 Gラミレス1090.0 171 2 1.45 -17.0 -2.8 -19.8
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 C赤松 真人779.7 194 5 2.26 23.4 1.2 24.6
2008 S青木 宣親985.0 229 7 2.02 8.7 1.9 10.6
2008 G鈴木 尚広531.7 118 3 2.06 6.0 0.4 6.4
2008 T赤星 憲広1228.3 251 4 1.98 5.5 -1.1 4.3
2008 G亀井 義行316.0 66 1 1.94 0.2 -0.8 -0.6
2008 G谷 佳知408.0 82 3 1.86 -2.8 1.1 -1.7
2008 D森野 将彦551.0 117 2 1.90 -1.7 -0.7 -2.4
2008 C天谷 宗一郎482.0 99 3 1.87 -3.0 0.4 -2.6
2008 B金城 龍彦1083.3 223 2 1.74 -21.1 -2.9 -24.0
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2008 Sガイエル491.3 106 5 1.88 3.5 1.6 5.1
2008 T葛城 育郎300.0 60 3 1.95 3.8 1.0 4.8
2008 Cアレックス1208.3 245 6 1.84 4.0 -1.4 2.6
2008 G高橋 由伸592.3 120 2 1.87 3.8 -1.4 2.5
2008 T林 威助317.7 57 1 1.74 -1.7 -0.7 -2.4
2008 B吉村 裕基1214.0 251 11 1.74 -7.1 2.5 -4.6
2008 S福地 寿樹549.0 99 3 1.56 -12.6 -0.2 -12.8
2008 D李 炳圭817.3 150 4 1.64 -12.5 -1.3 -13.8


 まず目を引くのが赤松。守備力自慢が集まる中堅手の中で頭ひとつ傑出し24.6点もの利得をチームに与えています。この値はこの年両リーグの外野手で最高。まだ実績が浅く実力の程についてはなんとも言えないですが、今後も注目なことは間違いありません。
 あと青木。10.6点というのもやはりすごいです。打撃だけでも飛び切り優秀なのにこの守備成績も備えているとなると現状NPB最強野手かもしれません。
 レフトは飯原と和田が優れている……んですが、レフトにありがちな話としても金本やラミレスなどの「守備には目をつぶる」組の存在が平均値を大きく引き下げており普通に守れる選手が自動的に高く評価される面があるのはちょっと無視できないところ。なにしろ飯原や和田の刺殺率は右翼手基準なら平均よりちょっと悪い程度です。もしかすると指導者の好みでレフトとライトが変わっていたら全然違う評価になっていたことも考えられます。
 この評価は方針として左翼・中堅・右翼を別の守備位置と考えていますし難易度評価に平均値を利用する指標の原則からしてもそういうことを考慮に入れるのは本当は危険なんですが、ちょっとした監督の好みや他の外野手の事情によって評価の基となる基準が変わる可能性があるのは少々心許ない気はします。まぁ言い出せば外野手に限らない話できりがないし考えても仕方がないことなのかもしれませんが。
 パ・リーグは工藤ですね。出場率から考えると異常な利得。打撃重視の選手が多い左翼に守備の名手が(本来中堅や右翼を守れるとしてもすでに優れた選手がいるチーム事情的に?)迷い込むとこういうことも起こるということなんでしょうか。稲葉あたりは青木と同様、打撃も一流でありながら守備もこれだけというのはすごいです。








●2007年度●

2007年度パ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 F坪井 智哉543.0 119 4 2.00 6.9 0.4 7.3
2007 F工藤 隆人395.3 89 1 2.05 6.6 -1.4 5.2
2007 H大村 直之462.3 99 1 2.01 5.9 -1.1 4.8
2007 L和田 一浩872.3 195 8 1.88 1.4 1.8 3.3
2007 H多村 仁408.3 86 1 1.96 3.5 -1.4 2.1
2007 Bs村松 有人943.0 177 5 1.77 -7.7 -0.6 -8.3
2007 E憲史329.7 56 2 1.54 -9.8 -0.3 -10.2
2007 Mベニー514.3 98 3 1.64 -11.2 -0.3 -11.5
2007 Eリック577.3 104 1 1.64 -11.9 -2.2 -14.1
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 F森本 稀哲1279.3 342 15 2.44 27.9 4.8 32.7
2007 E鉄平1059.7 268 10 2.30 10.0 1.9 11.9
2007 Bs平野 恵一366.7 94 1 2.43 7.4 -1.3 6.1
2007 L佐藤 友亮359.3 97 2 2.28 2.7 -0.7 2.0
2007 L福地 寿樹613.3 159 4 2.19 -0.8 -0.3 -1.1
2007 H大村 直之483.0 104 2 2.01 -8.3 -1.6 -9.9
2007 Bs大西 宏明414.3 83 4 1.90 -11.1 1.0 -10.1
2007 H多村 仁655.3 137 1 1.96 -14.1 -2.9 -17.0
2007 M早川 大輔957.7 223 5 2.00 -18.2 -1.7 -19.8
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 Mサブロー884.7 225 6 2.20 15.0 0.7 15.7
2007 F稲葉 篤紀1057.0 255 4 2.20 17.2 -2.0 15.2
2007 Bs下山 真二565.3 136 4 2.27 12.7 0.3 13.0
2007 H柴原 洋916.3 195 7 1.99 -2.3 1.8 -0.5
2007 LG.G.佐藤1114.3 267 7 2.02 -0.7 -0.2 -1.0
2007 Bsアレン485.7 95 2 1.85 -7.3 -0.3 -7.6
2007 E礒部 公一946.3 190 6 1.83 -16.7 0.0 -16.6


2007年度セ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 D森野 将彦691.7 137 4 1.77 14.4 0.3 14.8
2007 C前田 智徳803.3 147 3 1.60 4.0 -0.6 3.4
2007 B佐伯 貴弘403.7 69 2 1.61 2.2 0.5 2.7
2007 B鈴木尚437.0 74 0 1.58 1.6 -1.6 0.0
2007 Sラミレス1096.0 184 4 1.43 -12.5 -1.0 -13.5
2007 G谷 佳知1109.7 171 2 1.41 -13.3 -2.4 -15.7
2007 T金本 知憲1287.7 186 9 1.35 -22.3 2.9 -19.4
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 B金城 龍彦1185.3 257 10 2.03 13.4 4.3 17.7
2007 G鈴木 尚広301.0 81 0 2.47 15.6 -1.1 14.5
2007 T赤星 憲広949.7 209 3 2.06 13.3 -0.8 12.5
2007 Cアレックス650.0 139 5 1.87 -2.4 1.8 -0.6
2007 Gホリンズ687.0 137 2 1.82 -4.9 -1.1 -6.0
2007 D李 炳圭997.0 208 0 1.86 -3.8 -3.7 -7.5
2007 S青木 宣親1248.7 265 6 1.81 -11.8 0.3 -11.5
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2007 D福留 孝介702.7 171 6 2.17 22.0 2.0 23.9
2007 Sガイエル1211.7 272 6 1.91 8.5 -0.6 7.9
2007 B内川 聖一582.0 119 1 1.91 3.8 -1.6 2.2
2007 T林 威助473.7 97 0 1.91 3.0 -2.0 1.0
2007 G高橋 由伸1050.0 210 7 1.83 -0.8 1.4 0.6
2007 T桜井 広大406.0 74 2 1.70 -5.2 0.1 -5.0
2007 C嶋 重宣505.7 100 2 1.72 -5.7 -0.2 -5.9
2007 B佐伯 貴弘307.0 53 2 1.61 -6.5 0.2 -6.3


 ファイターズ優勝の一端を担ったと思われる外野陣の鉄壁さ。これ、生のRFでの順位だったら「フライボールピッチャーが集中したんだね」と原因を求めずにはいられない雰囲気なんですけど、一応補正してこれなんですよねぇ。
 あと中堅手など2008年と比べると優劣が逆転している選手がちらほらで、何か要因があるのか数字上の事故なのか。












●2006年度●

2006年度パ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 F森本 稀哲898 192 7 1.86 9.5 0.3 9.9
2006 Lカブレラ336 61 3 1.76 0.3 0.9 1.2
2006 H松中 信彦610 109 6 1.73 -0.9 1.7 0.8
2006 L和田 一浩1059 213 10 1.68 -7.6 1.7 -5.9
2006 Mフランコ412 71 1 1.62 -4.9 -1.5 -6.4
2006 Bs谷 佳知803 137 3 1.63 -8.3 -1.9 -10.3
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 Bs村松 有人723 185 5 2.45 20.1 0.2 20.3
2006 FSHINJO1051 271 4 2.24 11.1 -3.2 7.9
2006 M大塚 明347 77 2 2.08 -1.6 -0.2 -1.8
2006 H大村 直之1211 259 7 2.08 -6.0 -0.9 -6.9
2006 E鉄平610 145 2 2.02 -7.0 -2.1 -9.1
2006 Mサブロー580 120 5 1.95 -9.6 0.5 -9.1
2006 L赤田 将吾1064 254 10 2.00 -14.8 1.5 -13.3
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 F稲葉 篤紀1100 275 7 2.17 22.1 0.0 22.1
2006 H柴原 洋867 186 5 2.09 9.1 0.0 9.1
2006 Bsガルシア481 103 3 2.06 4.0 0.1 4.0
2006 L福地 寿樹431 97 3 1.88 -3.9 -0.2 -4.1
2006 E礒部 公一799 176 2 1.87 -7.6 -2.7 -10.3
2006 Mパスクチ412 67 1 1.51 -16.6 -1.2 -17.9


2006年度セ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 G清水 隆行505 99 4 1.78 8.0 0.1 8.1
2006 B小池 正晃308 65 1 1.81 6.1 -0.9 5.1
2006 B古木 克明610 118 6 1.65 2.6 1.3 3.9
2006 T金本 知憲1301 204 6 1.55 -6.3 -1.7 -8.0
2006 C前田 智徳924 141 6 1.50 -8.5 0.2 -8.2
2006 Sラミレス1139 205 8 1.48 -15.4 -0.4 -15.7
2006 Dアレックス1034 166 7 1.40 -21.5 -0.2 -21.8
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 T赤星 憲広1242 277 12 2.21 24.2 4.7 29.0
2006 G鈴木 尚広519 131 1 2.30 15.3 -1.7 13.6
2006 C緒方 孝市435 104 1 2.35 13.8 -1.1 12.8
2006 C森笠 繁379 80 3 2.08 3.2 0.8 4.0
2006 D英智622 142 3 1.98 0.0 -0.8 -0.8
2006 D福留 孝介337 73 2 1.88 -3.2 0.0 -3.1
2006 S青木 宣親1295 306 9 1.94 -5.3 0.8 -4.5
2006 G高橋 由伸446 85 4 1.73 -10.3 1.2 -9.1
2006 B小池 正晃529 113 2 1.81 -8.9 -1.1 -10.0
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2006 T濱中 治1000 199 2 1.97 11.0 -2.2 8.8
2006 C嶋 重宣1057 202 7 1.88 3.5 1.8 5.3
2006 G矢野 謙次575 119 5 1.88 2.1 1.9 3.9
2006 D福留 孝介819 178 5 1.88 3.2 0.6 3.8
2006 B金城 龍彦1019 221 6 1.85 0.4 0.9 1.3
2006 D井上 一樹319 67 2 1.82 -0.6 0.6 -0.1
2006 S宮出 隆自991 216 1 1.79 -5.7 -3.8 -9.5


 他所でも報告されているネタとして、守備力に難があるとして有名な巨人(2008年シーズンオフ埼玉西武に移籍)の清水は左翼手として見る分には他球団と比べて特に損失をもたらしていたことはなかったんじゃないかという説があります。
 考えてみれば左翼手を守るのはお世辞にも守備が上手いとは言えないような選手も多く、みんなが悪い場合の「悪い」は相対評価では「普通」になります。また肩の強さが命運を握るようなシーンは絶対数としてフライの捕球よりずっと少なく全体への影響も小さいはずですが清水は特に弱肩というイメージが定着しており、実際の影響よりも過大に「使えない守備者だ」という評価が広まってしまったのかもしれません。
 さらに言えば清水の例は「俊足だけど動きの悪い選手」と「鈍足だけどグラブ捌きが上手い選手」などについて主観的な評価でノイズが入りやすいことを示唆しているようにも思えます。実際にはグラブ捌きが拙かろうが一歩目が遅かろうが俊足である程度の範囲をフォローできればそれはそれだし、動きが滑らかでも単純な移動の速度が遅ければ守備範囲には限界があります。問題は結果としてどれだけ失点を防ぐのに貢献したかに尽きます。
 尤も、NRFを見ても別に清水が外野手全体として見ても上手かったことを表すような数字は出ていませんし左翼手として多少良い程度の守備で優先して出場機会を与えられるべきと考えられるほどの打撃力を有していたかも疑問ではありますが、まぁそれはそれ。








●2005年度●

2005年度パ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 F坪井 智哉617 136 10 1.96 2.6 4.8 7.4
2005 Bs村松 有人454 96 1 2.07 5.8 -1.6 4.2
2005 H宮地 克彦317 67 3 1.95 1.1 0.9 1.9
2005 L和田 一浩1085 251 5 1.96 4.6 -2.7 1.9
2005 E鷹野 史寿405 93 2 1.89 -1.1 -1.3 -2.4
2005 M李 承ヨプ386 74 0 1.82 -3.3 -2.2 -5.5
2005 Hカブレラ493 94 3 1.76 -7.2 -0.4 -7.6
2005 Mフランコ422 74 2 1.67 -9.4 -0.8 -10.2
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 FSHINJO829 212 3 2.29 16.5 -0.4 16.1
2005 M大塚 明586 142 2 2.30 11.9 -0.3 11.6
2005 E佐竹 学337 88 2 2.16 2.9 0.4 3.3
2005 L赤田 将吾973 240 3 2.09 1.6 -1.0 0.6
2005 E関川 浩一375 94 2 2.07 -0.2 0.1 -0.2
2005 Bs谷 佳知662 126 2 1.86 -12.3 -0.4 -12.7
2005 Mベニー331 53 1 1.53 -16.0 -0.1 -16.1
2005 H大村 直之1148 239 3 1.92 -15.7 -1.3 -17.0
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 Mサブロー633 167 5 2.50 23.1 -0.1 23.0
2005 F稲葉 篤紀968 240 14 2.22 11.8 4.4 16.2
2005 Bsガルシア692 159 8 2.24 9.3 2.0 11.3
2005 H柴原 洋388 94 3 2.24 5.3 -0.5 4.9
2005 H宮地 克彦662 140 7 1.95 -8.0 0.9 -7.1
2005 L栗山 巧452 103 0 1.92 -7.2 -3.6 -10.8
2005 E礒部 公一1006 232 7 1.90 -19.0 -2.5 -21.5


2005年度セ・リーグ
年度球団左翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 B小池 正晃677 131 5 1.69 9.4 0.4 9.8
2005 B内川 聖一408 78 0 1.67 4.9 -2.3 2.7
2005 D井上 一樹415 70 4 1.53 -0.5 1.3 0.8
2005 G清水 隆行924 170 4 1.57 1.9 -1.9 0.0
2005 C前田 智徳1147 172 12 1.45 -9.1 4.5 -4.6
2005 Sラミレス1265 218 6 1.47 -9.7 -2.1 -11.9
2005 T金本 知憲1326 197 8 1.42 -14.8 0.1 -14.8
年度球団中堅手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 S青木 宣親1264 320 3 2.16 26.5 -3.7 22.8
2005 B多村 仁1015 240 5 2.07 12.3 -0.6 11.7
2005 C緒方 孝市943 203 4 2.09 11.8 -0.7 11.1
2005 T赤星 憲広1296 264 12 1.95 0.1 4.5 4.7
2005 Gローズ690 141 5 1.74 -14.0 0.5 -13.5
2005 Dアレックス1210 236 7 1.77 -19.2 0.4 -18.8
年度球団右翼手イニング 刺殺補殺NRF刺殺得点 補殺得点守備得点
2005 B金城 龍彦1277 288 11 1.97 12.3 2.2 14.5
2005 G高橋 由伸633 150 5 2.02 9.4 0.7 10.1
2005 S宮出 隆自622 144 5 1.97 6.3 0.7 6.9
2005 D福留 孝介1197 245 11 1.86 -1.5 3.4 1.8
2005 T桧山 進次郎615 123 1 1.91 2.1 -2.3 -0.2
2005 S真中 満469 104 1 1.89 0.9 -1.8 -0.9
2005 Tスペンサー556 101 1 1.73 -6.6 -2.0 -8.6
2005 C嶋 重宣1241 226 7 1.77 -11.1 -0.2 -11.4


 パの中堅でSHINJOがトップなのはさすがというべきか。ただし坪井の補殺得点(+4.8)とSHINJOのそれ(-0.4)を見るとアームレイティングがないことによるミスリードが懸念されます。ここは刺殺の得点だけに注目したほうが無難かもしれません。
 巨人の高橋由伸はどうも数年のスタッツを見ると「右翼手としては優秀、中堅手としてはやや平凡以下」レベルなようで、これは打力を重視しつつどの程度の守備なら中堅手にしても痛手を被らないかなど野球観としてのひとつの目安になるかもしれません。
 高橋の身体能力は好ましく評価されることも多いとはいえ故障がちで、守備が売りの外野手に比べて決してアスリートタイプではありませんが、右翼手としては合格だしコンディションさえ良ければ中堅手としても特には問題ない水準かと考えています(ただしこれは多く主観を含む見解です)。彼の打撃の素晴らしさは言うまでもないことであり、高橋ぐらいの水準の守備力が確保できるならやたらに芸術的な守備までを追い求めなくても打力の向上によってチーム力の増大を図るほうが効率が良いのではないかと。簡単なことではないでしょうがね。








●評価方法について●

 内野手に関しては、補正項目が細かく実力外のバイアスの排除という意味で一定の信頼がおけると思われるRRFが一応適用可能ですが、外野手評価についてRRFにあたる詳細なメソッドは一般的には発表されていません。無論MLB方面ではゾーンレイティングをはじめとして様々な指標が開発されてはいますが、さほど細かい集計を必要としない部類のシステムでも最低限守備側が受けたフライ・ライナー・ゴロのデータぐらいは使っていたりして結局日本のデータでは算出不能です。
 ただしRFの概念自体は問題なく使えます。すなわち、守備に就いている間のうち刺殺・補殺で記録されているアウトの多い者を優秀とするわけです。打球を処理した数が刺殺に明確に表れるという、内野手を評価する場合に比べて有利な点もあります。

 ひとつ最初にぶち当たってしまう大きな問題は、守備記録が左翼・中堅・右翼で分かれておらず「外野」でまとめて記録されていることです。プレーの実情を考えるとそれぞれを同一の守備位置とみなすのはかなり無理がありますがこれでは別々に評価することができません。左翼手と中堅手を兼任した選手がいた場合、左翼手としてどのくらい刺殺を稼いだのか、中堅手としてはどうだったのかということがわからないのです。当サイトの2008年総合評価では苦肉の策として外野手をまとめて評価しましたが、やはり相当に強引な感は否めないと思います。
 そこで今回は出場の割合に応じて刺殺や補殺を左翼・中堅・右翼それぞれに分配するところからはじめました。中堅と右翼半々で出て刺殺100だった選手は中堅手として刺殺50、右翼手として刺殺50という評価になります。そもそも条件が異なるから分けて扱う必要があるのに同様に分配するのはおかしいのでこの方法に問題はありますが、守備位置ごとの記録が得られない中では無難な方法であると考えます。各選手の“兼任”が少ないシーズンほど正確に機能することになります。出場率に応じた分配で刺殺・補殺を求めた後はそれぞれを異なる守備位置として扱います(幸運なことに、守備イニングに関しては最近のシーズンについて左翼・中堅・右翼の分かれたデータが得られていますのでそれを利用して分配と評価をします)。

 あとはレンジファクターのように守備に就いていた量に対する獲得アウトの数で評価を構築します。分母となる守備機会を単純に守備イニングとすると投手の奪三振率等の影響を受けてしまうのでそれを排除するためにBIP(ボールインプレー)を利用します。

 BIP=打席−本塁打−四死球−三振

 BIPを利用するとフェアグラウンドに打球が飛んできたうちどれだけアウトを獲得したかということになり、奪三振の影響が除外されます。野手個人について実際の対戦BIP数はわかりませんがチーム全体については投手成績から求められますので、全体の守備イニングのうち70%出場した野手ならチーム総BIPの70%と対戦したと推定します。
 さらに、投手陣の特性によりゴロの多いチームはそもそも外野手にアウト獲得の機会が少なく過小評価に繋がってしまうので、この影響も除外を試みることとします。一般的に同一チーム内の投手でもGO/AO傾向に大きな違いがあり守備がGO/AO傾向をそう支配できるわけではないということから。内野手がゴロを処理したときに(多くの場合)補殺が記録されるので、チーム総補殺からゴロ処理以外の送球アウトが多いと思われる外野手と捕手の補殺を除いたものをゴロ補正値と考え、野手アウトのうちその割合の多いチームは外野への打球が少なかったものと推定します。内容として循環参照をしており決定的とは言えませんが、投手からの一定の影響に対して補正をしないよりもベターであると判断。この補正方法の特徴は外的影響による違いに対し誤差が小さい代わりに実力への違いの反映も鈍くなりがちなこと。この部分は今後すぐ改めることになるかもしれません。

 推計フライ割合=1−(総補殺−外野補殺−捕手補殺)÷(打席−安打−四死球−三振−失策)
 FB(Fly Balls)=BIP×推計フライ割合

 チームごとFB数を求め、そのチームの中の出場率に応じて各選手に割りふります。
 FBが1700でチームの守備イニング1200のうち900イニングに出場した選手は 1700×(900÷1200) で1275のFBがあったと見積もられます。刺殺数をこれで割って外野フライをキャッチする能力を表す守備範囲の評価とします。
 同じFB数でリーグの平均的な守備者が獲得する刺殺数と比較してプラスマイナスを導き出すわけですが、一応式に起こすと

 Plus Plays=刺殺−FB×Avg
 FB=(tm打席−tm本塁打−tm四死球−tm三振)×(1−(tm総補殺−tm外野補殺−tm捕手補殺)÷(tm打席−tm安打−tm四死球−tm三振−tm失策))×(守備イニング÷tm守備イニング)
 Avg=lg該当守備位置刺殺÷(lg打席−lg本塁打−lg四死球−lg三振)×(1−(lg総補殺−lg外野補殺−lg捕手補殺)÷(lg打席−lg安打−lg四死球−lg三振−lg失策))
  ※tmはチーム全体の…、lgはリーグ全体の…という意味。断りがないものは対象守備者の数値。あと“被”安打とか正しく書いておりませんが当然投手成績・守備成績を使用します。

 これで「同じ守備機会をリーグの平均的な守備者が守る場合に比べていくつ多く(または少なく)アウトをとるか」ということがわかりました。


 得点への変換。プラスプレイに平均的な得点の価値を加重します。
 プラスプレイが表すのは平均的な守備者ならヒット(出塁)にしてしまう打球をアウトにすることで、これには「安打を防ぐ」という価値と「アウトを奪う」という価値があります。言い直すと比較対象の平均守備者は安打を許してしまいその分のアウトをとれないわけです。
 ひとつめの安打を防ぐ価値ですが、NPBのデータを調べた結果外野への安打(無論本塁打を含まない)の得点価値は一般に0.57と出ました。これは外野フライからの単打・二塁打・三塁打の割合を基にLWTSでの加重を使い算出したものですが、LWTSでの単打は内野安打も含まれるため厳密に外野への打球の性質を調査するともう少し大きい値が出てくるかもしれません。
 続いてアウトを奪うことの価値ですが、リーグごとに異なるものの期待される得点などを含めてだいたい0.27となります。アウトをとれない場合と比べると0.57の安打の期待値と0.27のアウトあたりの期待値を潰すので最終的なプラスプレイへの加重はふたつを合わせて0.84。
 Batting RunsやXRで登場しないような大きな係数ではありますが、矛盾はしません。形式が違うのはこのような守備評価では「機会ひとつひとつに対する成功・失敗」といった概念がなく、プラスプレイ片側にしか加重をしないからです。安打+0.50、アウト-0.25でBatting Runs評価をするとして4打数1安打に対して4打数2安打の打者の評価はプラス安打1の分+0.50かというとそうではなく+0.75となるように、プラスプレイだけに加重をする場合は自らの成功と比較対象の失敗両方の価値を一挙に加重しなければなりません。

 刺殺の評価は以上で完成ですがちょっと外野手の肩の評価について。
 MLBではとっくに「アームレイティング」という走者の進塁企図を抑止させる能力や直接走者を刺す能力を合わせて得点化する指標が利用されています。日本でも一部の書籍などでみかけるようになりましたが、もちろん一般にデータは出てきていません。
 外野手の補殺は走者を刺す能力を表すとする向きは以前からありますが、進塁企図を抑止させる能力が表れないために利用できないとするのがアームレイティング的な見方です。
 しかし実際得点期待値に与える影響が大きいのはアウト成立(補殺に記録される)のプレーです。そしてMLBのデータから調査してみたところアームレイティングの得点と補殺の多さはなかなか強く相関しており、日本でもお試し程度の代用としては機能する可能性もあるとみて補殺の評価も行うことにしました。刺殺と同じようにPlus Playsを求め、回帰分析から0.85を加重として採用。もちろんこれが大きなミスを犯す可能性はある(というかそうじゃなきゃアームレイティングなんていらない)ので一応取り外せるよう併記という形で。
 また、イニング数の異なる選手の守備範囲を比較するものとしてFBをベースとした刺殺率に9イニングあたりのFBリーグ平均をかけてRFのようなものも作成してみました(とりあえずNormalized Range Factorと呼称)。

 投手の左右補正はありませんが守備機会の絶対数からして補正を入れたとしてもそう大きな変化は起こらないのではないかなぁと思います。いつかは係数を出してみたいところですが。
 なお、内野手のRRFにも言えることですがこのようなシステムでは全体の傾向に対する補正をしても個別のケースで偶然によりたまたま打球が偏ってしまうということはおそらくどこかでは起こります。それでも、それが純粋な「偶然」であるほどある意味扱いやすい問題であり、手を加えなくても試行数を重ねれば適正な値に落ち着くことが期待できます。数字が固まるにはフル出場でも1年程度じゃあ足りないと思われるので複数年見なければならないのが大変ですけれども(その間に実力が変化しなければいいんですけどね)。まぁ真の実力とは何かを置いておけば、よくアウトを取った事実というのは成績として残ります。




 ※個別の数字を求める上で不可欠となる守備イニング数のデータは今のところNPBから公表されていません。 そこで当ページでは2008年・2007年について『野球記録あら?カルト』の集計データ、それ以外の年度について野球SNSNaranjaさんによる推計データを利用させて頂いております。貴重なデータに改めてお礼申し上げたいと思います。 公式データではなく若干の誤差が考えられることをご了承下さい。また、データは一部当方の都合により改変して使用しておりますので参照元の数字と異なる場合があります。




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